末広3ノ6ノ8・TEL76-1941

 一人暮らしのお年寄りやサラリーマンなどに、栄養ある食事を気軽に食べてもらいたい――。そんな思いも込めて昨年四月、住宅街に開店した。

 人気は、昼時のみ提供の日替わりランチ(五百円)。僕が訪れた日は、鳥天丼とミニそうめん。やわらかく、ジューシーな鳥天ぷらに甘辛いたれがかかって、ご飯がどんどん進む。ボリュームも満点だ。

 店主の青野厚子さん(59)は長年、社員食堂などの給食事業を行っている会社で働いてきた。そのノウハウを生かそうと、定年前に思い切って退職。自宅を新築し、その一階を店にした。

 メニューは、盛りだくさん。定食(各八百円)は、とんかつ、からあげ、ハンバーグ、野菜炒めなど八種類もある。カレー(七百円)、カツカレー(八百五十円)のほか、かけそば、うどん(各五百円)、ミートスパゲッティー(六百五十円)などの麺類もある。

 「お母さんが家庭で作る味を目指し、手作りにこだわっています」と青野さん。そのため、添加物はできるだけ使わず、しょうゆやみりんを調味料の基本にしている。

 もう一品、とんかつ定食をいただいてみたが、手切りという分厚い本ロースのカツは、カラッと揚がっており、食べ応え十分。添えられた小皿の切り干し大根煮、ヒジキ煮、マカロニサラダは、やさしい味がした。

 店内では、定食にも出している総菜を、常時二十種類(すべて百円)近く販売している。食事のあと、二品、三品と買い求め、持ち帰る人も多いそうだ。さらに、酢豚、ハンバーグ、サバなどの手作り弁当(各七百五十円)もテイクアウトできる。まさに、住宅街の“幸せ食堂”だ。

 定休日は日曜日。営業時間は午前十一時~午後七時。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコのひとことメモ

 日替わりランチがワンコイン、500円というのは安い! 私が行った日はメンチカツだった。揚げたてのアッツアツで、やけどしそうになった。ごはんも大盛り。男性客が多いのも納得だ。

 うれしいのは、持ち帰りの総菜を売っていること。これが1パック100円。切り干し大根など、家で作るとたくさん作りすぎてしまうものも並んでいる。

 4種類も買い、帰宅してお皿に並べ、いかにも私が作った風にしてしまった。味はちょうどいい。また、買いに行かなくちゃ。

2020年10月20日号掲載