1ノ7、プレミアホテルCABIN旭川 14階・TEL23-8150

 昔から、ホテルのバーが大好きだ。ぜいたくだと思われる方も、いらっしゃるかもしれない。でも、ホテルバーはチャージもカクテルも料金が意外と低く抑えられている。それなのに、バーテンダーも味も一流なのだ。旭川でも、旧グランドホテルや旧パレスホテルには良いバーがあった。ところが、時代の風潮か次々に姿を消し、なんと今ではここ一軒になったという。

 店主は、高谷大二さん(49)。出身地の当麻町で十四年間、同じ名前の人気店を開いてきた。しかし、子育てが終わったのを機に新たな挑戦をと二年前、ここに移転オープンした。店名は、もともとトランペット演奏が高谷さんの趣味で、大好きなトランペット奏者の故クリフォード・ブラウンから拝借したそう。

 飲み物(チャージ五百円)は、生ビール(六百円)、日本酒(六百円)のほか、カクテルはジンベース、ウォッカベース、ラムベースなど大半が九百円から千円。そして、驚くのはダイニングバーと銘打っている通り、料理が充実していること。中心のパスタ類だけでも、味噌ペペロンチーノ(九百円)、和風たらこ(同)など十一種類もある。さらに、豚肉料理、ピザ、一品もの、おつまみなど大半が千円以下で、選ぶのに迷うほど。

 僕は、キューバの旅で毎日飲んでいたモヒートとダイキリカクテル(砂糖抜き)を飲みながら、お勧めの道産豚のロースステーキ(九百円)を注文。モヒートは、高谷さんが実家で栽培しているミントの自家製シロップを使った店人気ナンバー1カクテル。期待にたがわず、どれもこれも美味しいこと。さすが、舌にうるさいバーテンダーの味だ。

 カウンターからは、大雪山や十勝岳連峰が一望できる絶景。ジャズを聴きながら、本当に至福のときが過ぎていった。いま、原稿を書きながらもまた行きたいと、頭がうずうずしている。定休日は火曜日。営業時間は午後六時~午前一時。(フリーライター・吉木俊司)

 

ケロコのひとことメモ

 旭川の夜景なんて、あまり考えたことなかったけれど、とてもきれいだった。カウンターに座って、夜景を見ながらカクテルを飲む幸せ。カクテルといっても、私の場合はノンアルコールだけどね。

 「甘く切なく、ちょっとシュワシュワ」と注文したら、本当に美味しいのが出てきてお代わり。食事も、パスタがおいしくて、サラダもレベルが高かった。

 それもそうだ、当麻に行ったら、必ず寄っていたブラウンがやっているんだから。なくなって残念に思っていたら、ここに移っていた!

2021年05月18日号掲載