東川町西町1ノ1ノ12・TEL76-1705

 いやあ、今週はお酒を出す店でなくてよかった。せっかく紹介しても、“コロナ緊急事態宣言”とかで店が休業していれば、どうにもならない。

 さて、今週と次回のおいしい話は、東川町に新しくできた店。東川町には勢いがある。小さな町ながら、コロナ禍をものともせず新規開店が相次いでいるのだから。しかも、どの店も味のレベルが高い。

 この店が開店したのは四月。店主の田丸征子さん(79)は、高校生まで東川に住んでいた。昨年までは、ホテルのロビーなどを花や樹脂粘土の果物で飾る仕事の傍ら、姉が東京・赤坂で経営する北海道料理店を手伝っていた。ところが、店はコロナ禍のために閉店。東川東京会の会長を務めていた縁もあり、故郷でみんなが集まれる店を開こうと思い立ったという。

 看板料理は、純白のオムライス(千円)。驚くほど卵の色は白いのに、味は濃厚。中身は、定番のケチャップライスではなくカニチャーハン。互いが味を引き立て、こんなにおいしいオムライスもあるのだとビックリ。決め手は、音更町竹内養鶏場産の「米艶」というブランドの卵。道産米を餌に育て、もともと黄身部分も白く、ふくよかで滑らかな理想の卵なのだそう。

 メニューはこのほか、日替わりパスタ(九百円)、自家製デミグラスソースのチーズハンバーグ(千百円)、チキンカツカレー(八百八十円)、米粉のシフォンケーキセット(八百八十円)など。どれも食材を吟味し、化学調味料をできるだけ使わないなど手がかかっている。「北海道の温かみを感じられる料理を味わってほしい」と田丸さん。

 店内には、田丸さんがいけた花や樹脂粘土の作品が飾られていて、とても寛げる。定休日は火曜日。営業時間は午前十一時三十分~午後三時。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコのひとことメモ

 東川にまた1軒、素敵なお店がオープンした。

 普段は迷わずにメニューを決めるのに、ここでは迷って、結局、1番気になった「純白のオムライス」にした。白身だけ使うのなら、黄身はどうするのだろうと思ったら、違った。

 中身はケチャップじゃなくてカニチャーハンで、塩コショウ味。ケチャップ味にすると、卵の味が損なわれるからだそうだ。なるほど、卵がとても美味しい。

 店内には、樹脂粘土の果物なども飾られている。先生なんだって。また行くのが楽しみだ。

2021年05月25日号掲載