東川町西3号北12・TEL67-2729

 食事する前から、とんでもなく期待が高まる。新築したばかりの店舗兼住宅(二F)に入ると、プーンとさわやかな森の香り。聞けば、建物の大半で白樺の木を使っているそう。大きな窓からは、大雪と十勝岳連峰が圧倒的な迫力で一望できる。前回に続いて、今回も東川に新しく開いた店。すごいなあ、東川の底力。

 田向さん夫妻が開店したのは、この四月。隼人さん(39)は東京の出身だけど、北海道にあこがれて高校生のころから日高地方に通っていた。いったんは東京の建築会社に就職したものの、道内への移住を決意。帯広の調理師専門学校で勉強しながら、気に入った土地をさがし、東川に行きついたという。「この町は、子育てに力を入れているのがすごい。三歳の娘の子育てにも最高」

 店のコンセプトは「ジャム屋がやっている、子どもにも優しいカフェ」。販売しているジャムはプルーン、ルバーブ、イチゴ(各百二十㌘・七百五十円)など、すべて道産の果物とてんさい糖を使った無添加の手作り。広々としたカフェでは、ランチ(サラダ、ミニデザート、ドリンク付きで千三百円)としてミートスパゲッティー、ベーコンと地元・三千桜酒造の酒かすクリームスパゲッティー、地元・宮崎豆腐店の豆乳を使ったチキンドリア、五種の豆とゆめぴりかの玄米リゾットなどが用意されている。

 いただいたのは、一番人気というハンバーグ。期待通り、肉はジューシーでほろほろ。ルバーブジャムを加えたという醤油味のソースが、また相性抜群。付け合わせのポテトサラダもデザートのシフォンケーキも極上の味。コーヒーは、地元・ヨシノリコーヒーのスペシャルティコーヒー。どれもこれも満足いく味でした。

 なお、ジャムも含めて料理は取材した五月時点。季節によって内容は変わるそうで、それもお楽しみのひとつ。定休日は火曜日。営業時間は午前十一時~午後六時。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコのひとことメモ

 東川はすごいなあ。また、ステキなお店がオープンした。

 窓から見えるのは、田んぼと大雪の山々。まるで、一幅の絵のようだ。そして、この田んぼでできたお米が出てくる。店の天井やカウンター、椅子は白樺。コーヒーに付いてくるシロップも手作りだって。

 ハンバーグが絶品だった。かかっているソースに、ルバーブジャムを使っているそう。ここはランチもあるけれど、ジャム屋さん。サクランボのジャムを買って食べてみたら美味しかった。また行くしかない。超おすすめです。

2021年06月08日号掲載