豊岡4ノ4ノ2・TEL080-5726-0777

 店の一角で、調理パンに使うコロッケやハンバーグ、サラダなどを販売しているパン屋がたまにある。これと食パンを買ったら、自分好みのサンドイッチができる。僕は、完成品よりこちらが好きだ。

 この店は、隣のパン店「みんなの大パン」が隣の空き店舗を借り、店で使う総菜などを売る姉妹店として五月に開店した。これに伴って、本家はパン専門店にしたという。ありそうでなかったユニークな商法だ。変わった名前も、由来を知って納得。

 販売しているのは、店内で調理し、本家でも調理パンなどに使っているというコロッケ(キタアカリ、牛肉、カボチャ各一個百円)、から揚げ(しょうが、塩ニンニク、ヤンニョム各一パック二百六十円)、やげん軟骨(同二百八十円)、春巻き(二本百円)、名古屋風手羽先(四本二百八十円)など。さらに、自家製のだんご(しょう油一本八十円、きなこ同百円)や焼大福(白、よもぎ百八十円、豆二百円)、三種の日替わり弁当(五百円)などもある。

 本家のパン店とともに経営するのは、桐生大輔さん(41)。特にこだわるのがだんご。「僕が好きなものだから始めました。みたらしではなく、旭川では少ないしょう油だれがお勧め。くどくなく、おいしいですよ」

 桐生さんは、もともと実家が上富良野町で営業していたパン店。色々な店で修業した後、五年前に大パンを開店した。モットーは「みんなが喜んでくれるパン作り」。本家の店内では、毎日焼きたてのパンを八十種類以上も販売している。お好みのパンと総菜を両方の店で買ったら、たちまち充実した食事の完成だ。

 定休日は月曜日が主。営業時間は、ないもの屋が午前十一時から、大パンが同十時から、いずれも売り切れ次第終了。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコのひとことメモ

 たくさんの種類のパンがリーズナブルに食べられる人気の「大パン」の隣にお店ができた。その名も「大パンにないもの屋」。「これはのぞいてみないと」と早速行ってみた。

 大パンで売っているパンに挟まっている具が、おかずとして売られている。大パンでもともと売っていたコロッケ、ポテト、から揚げに加え、とんかつ、チキンカツ…。お店に入ったとたん、今晩のおかずはここにしようと決めた。揚げ物ばかりだけど、次の日も食べる!

 帰りはもちろん、隣でパンも買って帰った。

2021年06月29日号掲載