豊岡7ノ4ノ1・TEL64-6660

 久々に、庶民的でおいしい中華料理を食べた。イヌの散歩仲間とよく、おいしい中華の店はないかねえ、としゃべっているのだけれど、この店が話題に上ったことはない。それもそのはず、五月にオープンしたばかりなのだ。

 オーナーシェフは、鷲尾孝則さん(46)。「中華を調理する炎がとてもかっこよくて」と、若いころから中華一筋。いくつもの中華料理チェーン店などで修業を続け、奥さんと夢だった自分の店を持った。こだわっているのは、中華らしいスピード感。印象的な店名には〈料理を通して、お客様の日常にちょっとした輝きを届けられる中華料理店でありたい〉との願いを込めた。

 メニューは、大半が八百八十円とリーズナブル。一番人気という五目あんかけ焼きそば(以下値段がないのはすべて八百八十円)を、いただいた。まず、そのボリュームにびっくり。数えてみると、具材も野菜や厚切り豚肉、イカ、エビなど九種類もがたっぷり入っている。そして、特注の太麺にからむあんがなんとも絶妙の味。

 続いて、石焼麻婆豆腐。運ばれて来て、思わず身を引いた。石鍋の中は、バチバチと音を立てて煮えたぎっているのだ。恐る恐る一口食べると、これがまたなんというおいしさ。豆板醤、手作りラー油、刻んだ豆苗などで作ったあんに、豚角煮を作る工程で得た肉の旨味を閉じ込めているそうで、まさに中華のプロの味。花山椒がピリッとした辛さを引き立てている。「汗をかいたあとの清涼感を味わってもらえれば」と鷲尾さん。取材中とあって、ビールを飲めないのがまことに残念。

 このほか、チャーシューチャーハン、カニ入り天津飯、エビのチリソース、十七品目の具沢山ちゃんぽん、中華の手法で豚肉を四時間蒸すという中華角煮(千百円)など多彩なご飯もの、麺類、一品料理がそろっている。また行かなきゃと、もう、うずうずしている。

 定休日は第二、四火曜日と水曜日。営業時間は午前十一時~午後二時三十分、五時三十分~八時。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコのひとことメモ

 旭川って中華のお店が少ない。中華好きなのに…、と思っていたら豊岡にオープンした。

 駐車場がいつもいっぱいで、何度か挑戦してやっと行けた。私は五目あんかけ焼きそば、友達はカニ入り天津飯。半分ずつ食べようねと言っていたのに、結局一口分け合っただけ。結構、ボリュームもあるのだけれど、あまりにおいしいのだもの。

 焼きそばのあんが、またおいしかった。お皿に残ったのを、レンゲですくって食べたほど。誰も見ていなかったら、お皿をなめていたかもしれない。リピート決定。

2021年08月17日号掲載