1ノ14・TEL56-9513

 メニューの巻頭に、(店の)使用方法が書かれているのがなんともユニーク。①一休みに②雑貨を買いに③手づくりご飯を食べに④スタッフとおしゃべり⑤ウエディングの相談――など十項目もある。カフェなのだからだいたい理解はできるけど、ウエディングって?

 聞けば、店主の江口美和さんは知人の結婚式を手伝っているうちに、その裏方の仕事が大好きになり、結婚式のプロデュース会社に就職。そして独立し、現在地で結婚式、写真の企画事務所を開いた。携わったカップルは五百組以上にも上る。

 カフェは、この事務所の一角が空いていたことから開くことにした。だから、この店ではウエディングの相談もできるというわけ。でも、ウエディングにはもう縁のないだろう僕のお目当てはランチ。週替わり定食(千百円)をいただいた。まずは、いつものとおり味噌汁を一口。味噌汁を飲むと、店のレベルがすぐ分かる。

 うーん、これは美味しい。ゴボウと豆腐、それにすりゴマも入れているとのことで、体にも良さそう。メインは、チーズがとろりと載った煮込み風ハンバーグ。トマトの酸味が効いた甘酸っぱいスープは、シメジ、ニンジン、タマネギなどの野菜をコトコト煮込んだそう。五穀米ご飯、白菜の香の物、キュウリやニンジンのピクルスなど、すべて手作りで、健康に気を配っている思いが伝わってくる。

 各種ケーキも手作り。いただいたのは、大好きなガトーショコラ(四百十八円)。高級なクーベルチュールチョコレートがたっぷり使われている。最近のカフェの手作りケーキは、洋菓子店のものを上回るレベルではないかと思うことがしばしばだけど、ここもそう。素朴ながらも、ガトーショコラの魅力をしみじみと感じさせてくれた。「私の料理は、母が家で作ってくれた味。家族が元気でいてくれるようにとの思いを込めた家庭のご飯です」と江口さん。
 定休日は火、水曜日。営業時間は午前十一時(月、木曜日は正午)~午後五時。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコのひとことメモ

 このカフェ、大好き。昔からの知り合いがやっているということもあるけれど、とても居心地がいい。

 料理は、オーナーが1品1品、全部手作りしている。手間をかけているのだろう、というのが伝わる。

 料理が出来るまでがまた楽しみ。待っている間、お店の中をウロウロ。洋服や雑貨、いろいろなものが並んでいる。それがまた手をかけて作られているので、買うつもりがなくても、つい1つ2つと買ってしまう。すぐに使うものではないけれど、満足。明日もまた行きたくなるカフェです。

2021年11月30日号掲載