2条通5丁目左7

 戦争が終わって間もない昭和二十一年、一九四六年の創業。開店から七十五年目のお店は、旭川を代表する居酒屋と言ってよいでしょう。

 太田和彦の『居酒屋百名山』(新潮文庫)やテレビの『孤独のグルメ』(テレビ東京)でも取り上げられて、全国から、この店だけを目当てに旭川を訪れる人もいる、いわゆる「名店」。でも、決して敷居が高いわけではありません。

 “名物”は、太田先生が評した「日本三大割烹着美人」の女将・西岡美子さん(68)と、新子焼き、そしてウナギです。和服に割烹着の女将さんは置くとして、まずは新子焼きについて。

 女将さんが一九七四年、二十歳で嫁いで来た時には、すでにメニューに新子焼きがあったそうです。その頃は、若鳥の半身で、骨付き。近ごろ、“旭川のソウルフード”と呼ばれるようになった「新子焼き」は、たいてい骨付きの半身です。

 初代が若くして亡くなり、その奥さんに代わって二代目の西岡奛さん(二〇一七年没)が店を継ぎました。嫁いでお店に立つようになった現女将・美子さんが、「骨付きの新子は、お酒の肴としては食べずらいし、手が汚れるわ」と指摘すると、奛さんはその意見を取り入れて、骨なしの若鳥のモモ肉を使うことにしたんだそうです。以来、三四郎の新子は、このスタイル。

 炭火でじっくり焼いたモモ肉に、創業以来七十五年にわたって注ぎ足して来た年代物のタレが絶妙にからんで、それはもう、う・ま・い…。

 知る人ぞ知る「ウナギ」も、創業以来のメニュー。蒸さずに、そのまま炭火で焼く関西風のウナギは、適度な弾力感と歯ごたえ、甘すぎないタレとの相性がたまりません。ああ、思い出したらよだれが垂れそう…。

 お持ち帰りの新子焼きは、九百五十円(八%税別)。ウナギは、大・四千六百円(同)、小・二千三百円(同)。うな丼が二千四百円(同)。

 営業は、午後五時~十時半(十時ラストオーダー)。「お持ち帰りは、ちょっと早めに電話で予約をしていただければ助かります」とのこと。独酌三四郎(TEL22―6751)へ。(工藤稔記者)

2020年05月05日号掲載