四日付朝日の「声」の欄に載った、長野県の中学生・小林海実さん(15)の「得票数を公開しない選挙なんて」を読んで、うなった。書き出しはこうだ。

 ――昨年、私は生徒会長選挙に立候補した。中学校では校則に書かれていない謎のルールが少なくない。生徒会長になって不要なルールは廃止し、自主性と個性を大事にする学校にしたいと思い、立候補した。(引用終わり)
 結果は、落選だった。得票数を知りたいと思い、先生に聞きに行ったところ、「非公開」だと言われた。「信じてもらうしかない」「人権上の配慮」が理由。自分の一票がどんな影響を及ぼしたのかが分からないことの方が、候補者と有権者の「知る権利」を侵害していると思う。

 小林さんは次のように続ける。

 ――中学校の生徒会選挙はそもそも関心が低い上に「やらされている感」が強い。それが今の日本の選挙の低投票率にも影響しているのではないか。中学生にもっと選挙への関心を持ってもらうためにも、生徒会選挙での得票数の公開を強く求めたい。(引用終わり)

 もう六十年近く昔になる私の中学生時代、生徒会選挙の得票数は公開されていた。二年生のときだったか、仲間たちと分担して、私は書記だか会計だかに立候補して、得票数が予想よりかなり少なくて落胆した記憶がある。でも、得票はちゃんと公開された。この学校では、いつから、なぜ非公開になったのだろう。小林さんの堂々とした主張に感じ入った次第。枕はここまで。

 このところ、東京都知事選にはじまり、衆院選、兵庫県知事選と、その結果に意表を突かれる選挙が続く。アナログじいさんには、分かるような分からないような理由、SNSや動画サイトの情報が選挙結果に大きな影響を与えたと伝えられる。

 議会の全会一致の不信任決議により失職した知事が、選挙に出馬して大差で勝利して再選された兵庫県知事選では、立候補した候補者が当選を目指さないで他の候補を応援する、などという訳のわからない現象も見られた。「NHKから国民を守る党」の立花孝志氏党首の珍行動。このレベルになると、「意表を突く」という範疇を飛び越えて、真面目に考えるのをあきらめたくなるような、投げ出したくなるような、イヤーな気分に陥ってしまう。アナログじいさんには、ちょっと無理。そんな感じ。兵庫県のゴタゴタは、再選されてあとは地方レベルの“オモシロ話”になってフェイドアウトかなと予想していたら、いやいや…。

 以下は、二日十五時五分発信の朝日デジタルの記事。

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