帰社すると、机の上に「アディクト101」なる冊子があった。緑の髪の若い女性の上半身をデザインした、ちょっとショッキングな表紙。知り合いの女性が、僕が不在のときに来社し、預けていったとのことだった。
「アディクト」の意味を調べると、「中毒者」「常用者」「熱中者」の意味。特定の物質や行為に依存している状態の人を指す場合や、ある趣味や活動に熱中している人を指す場合に使われる、とある。表紙をめくると、公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会の田中紀子代表理事の「ご挨拶」があった。いわく――
ギャンブル依存症は回復できる病気です。でも、周囲の方々が適切な対応をしなければ、なかなか回復することはできません。(中略)
ギャンブル依存症は不思議な病気です。
渦中にあるときは、死が身近にあるような切迫した気持ちになり、人間関係は壊れ、家族の絆は失われ、人生がどん底に堕ちてしまいます。
けれどもひとたび回復すると、元の人生よりもずっと良くなったと感じます。
人は絶望では変われません。希望が見えるから変わろうと思えるのです。(工藤稔)
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