前週の「田舎者運転の季節到来―」について読者のMさんから、メールが届いた。その一部を紹介する。

――いつも楽しく拝読しております。先日、オリンピックの野球の件で意見を送った市内在住の三十代男性です。

ニシン漬け、美味しそうですね。娘さんも興味を持って手伝っているお姿を想像すると、微笑ましくも羨ましく感じます。

さて、後半の運転技術のお話についてですが、「我が意を得たり」と胸のつかえが取れる思いで読ませていただきました。

私も新潟県で学生をしている頃に、新潟の教習所で一種の免許を取得しました。その後五年間ほど本州を中心に二万キロ近く運転を経験してきました。

免許取得六年目にして、道内へ就職が決まり、この旭川市を拠点として、道内を運転することになりました。旭川市で運転を始めて今年で七年目になりましたが、やはり貴方が仰るように、ウインカーのタイミングの遅さに腹が立ちます。

大半の運転者が、まずブレーキで減速して、後続車両にもブレーキを踏ませ、それからようやく車線変更(寄せ)をしてウインカーを出すのです。

私が教わったのは、まずウインカーを出して、車線変更をし、それからブレーキです。右へ曲がるウインカーを出せば、後続車両は「前の車は右に曲がるんだな」と予測が容易で、自らも左後方を確認して左へ車両を寄せ始めるはずです。そうすれば大幅な減速なく、スムーズに右折車両をかわすことができます。

どうして旭川市のドライバーはこの基本的なことが理解できないのかが不思議でたまりません。まだ他の市町村のドライバーの方がこのあたりの技術は上であるように思います。つまり、旭川市内の教習所の指導員が誤った指導をしているのではないかと思うのです。

今回の貴方の記事を読んだ旭川市民の方々が、少しでもウインカーを出すタイミングが早まることを願っています――。

漢字が読めないのは、別に死人が出るわけじゃなし、さほどのことではない、とは思う。ただ、極小とは言え、言葉や文字を扱う生業の私の場合は、「さほどのこと」である。過ちを指摘されて、幾度、顔から火が出る思いを味わったことか。と、書いている最中も、「この原稿の中に誤字があったら、シャレにもならないなぁ」と戦々恐々である、実は。

ご本人は、「単なる読み間違い、もしくは勘違い」と意に介さないようだが、「踏襲」を「ふしゅう」、「未曾有」を「みぞゆう」、「頻繁」を「はんざつ」と読み間違えたり、勘違いなされるとは…、しかも、一国の総理大臣が、だ。別に学歴を云々するつもりはないが、学校の同窓である皇族方、天皇陛下などは、どのようにお感じになられているものか。恐れ多くも、お伺いしてみたい気もする。

さて、国語は苦手だが、英語は得意と自認しているらしき、その麻生首相が打ち出した「定額給付金」の話。私は五十七歳だから、国からお恵みいただけるのは一万二千円らしい。夜のカウンターでご一緒することが多い先輩は昭和十五年生まれの六十八歳だから、八千円上乗せされて、二万円也。

過日、「何もしないのに、金をもらうなんて、どうも気色悪いというか、納得できないというか…」という話になった。「民を愚弄しているよ」「自尊心をずたずたにされるんだ」「テメエの卑しさをむき出しにされるみたいで」「どんな発想から、こんな愚策を思い付くものなのかね」などと言葉を交わしつつ、「だけど、周りがみんなもらってさ、自分だけ辞退するというのも、なんだか寂しいというか、仲間外れみたいな…」。

アルコールが程よく回った頃、結論が出た。もし、給付金をいただける局面になった場合、同じ気分でありそうな周りの友人・知人にも声をかけて、その一万二千円なり、二万円なりを寄せ集め、地域や社会に役立つような、何か、どこか、そういう所に「寄付しちゃうべ」と。

まぁ、漫画しか読まないオジサンの政権が、いつまでもって、ホントに給付金が出るものかどうか、五里霧中ではあるのだけれど、万が一、お恵みをいただけた折には、武士ではないけれど高楊枝を気取ってしまおう、ということでありまする、ハイ――。

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