「今朝、私の行っている治療院であさひかわ新聞を見まして、被災地に送る黒の喪服が足りないので送ってほしいとありましたのでお送りします。Yシャツ・靴下もとありましたが、西神楽はお店はローソンのみで有りませんので、お許しください。…この服は息子が着ていた物です。今はダブルなので不用になりました」
前週、東日本大震災で被災した仙台の避難所を回っている現地のラーメン店主Nさんから、「十日前後に各地で合同慰霊祭が行われるのだが、喪服がなくて困っている人が大勢いる。なんとかならないだろうか」という依頼が届いたという話を書いた。喪服を送る窓口になったラーメン店「あさめし前
男物、女物、ワイシャツやネクタイ、靴、すべてクリーニング済みか袖を通していないものだった。中にはネクタイや靴下、ハンカチを買ってセットにしてくれた方もいる。お坊さんからは、檀家さんから集めていただいたというたくさんの数珠も届いた。送料が大変でしょうと現金を包んでくれた方も。「よろしければお名前を」と名簿を用意したのだが、「名乗るほどではありませんから」と記入されない方も少なくなかった。あさめし前田゛本舗に送られて来た分を合わせると、六十人以上の方から、百五十着以上の喪服と葬儀用衣類・小物が届けられたことになる。
「十日に間に合うように」と連日、荷造りに追われたあさめし前田゛本舗の畠中郁子さんは、「Nさんが、届けていただいた皆さんのご好意に応えて、避難所を回って一人ひとりサイズを合わせながら、ちゃんと届けてくれると思います。彼は、そういう人なんです。こんなにたくさん集まるとは思っていませんでした。感動しています」と話す。仲介役をさせていただいた私からも、心からお礼を申しあげる。感謝の気持ちを込めた枕はここまで。
(工藤 稔)
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