末席に名を連ねている、ある会の旅行で四国に行って来た。総勢四十人、香川・徳島・高知・愛媛の四県をバスで巡る三泊四日の旅。毎年、桜が咲く四月に行っている恒例のツアーだが、今年は東日本大震災の発生で、六月に延期になった。

 名所旧跡を訪ね、夜は宴会という完全なる観光旅行なのだが、現地の空気を吸って、名物を食べて、人と接してみて、驚いたり、納得したり、考えさせられたり、そして、わがまちと比べてみたり…、学ぶべきことも少なくなかった。

 強く印象に残ったことの一つ。それは、川がきれいだったこと。香川県から徳島県に入り、吉野川沿いに走ったのだが、支流も含めて川辺にゴミ一つなかった。アユ釣りをしている人の姿もあちこちで見られた。夏には、川で泳いだり、魚とりをしたりするのだという。川は日常的にヒトとともにある。だから川を汚さない。守る。

 我が旭川は「川のまち」を自称する。かつては、旭橋の上から、遡上するサケの群れが見られたという話も聞く。昭和三十年代までは、石狩川で泳いだとも。今、川辺は流れてきたゴミの山。ちょっと雨が降れば、泥色の水。自然が豊かなまちなどと誇ってみたところで、その実は、ヒトを寄せ付けない、見せ掛けだけのエセ自然にあふれるまちに成り下がった。(工藤 稔)

(工藤 稔)

(全文は本紙または電子版でご覧ください。)

●お申込みはこちらから購読お申込み

●電子版の購読は新聞オンライン.COM

ご意見・ご感想お待ちしております。