このところ何となく静かになった感があるTPP(環太平洋経済連携協定)について学ぶ会が三月二十八日夜、あった。末席に名を連ねる中小企業家同友会道北あさひかわ支部の中の部会、焼鳥金曜大学(学長・馬場芳弘太田硝子店会長)が三月例会として企画、札幌から北海道新聞社の久田徳二編集委員を話題提供者として招いた。「焼鳥」の名を冠する通り、講師に話題提供をしていただき、それを肴にワイワイ論議したり、少しお神酒をいただいたりする、気軽な会である。

 久田氏は、食と農業の専門家。道新に北大農学部との連携企画「あぐり博士と考える食と農」を連載されているから名前に覚えがある読者もいるだろう。

 「主要5農産物を守れるのか―TPP交渉の行方と北海道農業を考える」と題する講演は、米国内の世論や議会がTPPに対して否定的でも、もしも本交渉が決裂しても、オバマ大統領と政府は諦めずに、並行交渉などで市場開放を実質的に進めるだろうと予測するなど、期待通り示唆に富むものだった。会の中で、あらら、へえー、と感じることが幾つかあった。そのうちの一つ、二つ。

 日本がTPPを批准し協定が発効すると、北海道の食料自給率は現在の二〇〇%から八九%に激減する。つまり北海道農業は壊滅的打撃を受ける、と予測される。どうやって対処するか。北海道農業を守る手立てはあるのか。そのアイディアの一つとして久田氏が提案したのが「グリーンカード」構想。

(工藤 稔)

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