お会いした複数の読者から、「あのナナカマドはどうなりましたか」とか、「枯れたら業者に弁償させるはずでしたよね」と質問された。冬が終わり、春の芽吹きの季節を目前にして、むごたらしく剪定された木々たちのその後が気になったのかも知れない。

 「あのナナカマド」とは、昨年二月十九日号と六月四日の小欄で書いた、通称動物園通り、正式には道道愛別・当麻・旭川線の街路樹のことだ。環状線を過ぎて東旭川地区に向かう両側に植えられているナナカマドが、プロの造園業者が「でたらめの剪定だ」と絶句するほど無残な姿をさらしていた。

 造園技能士の資格を持つ人は「樹種によって剪定の仕方が違う。ナナカマドはサクラと同じように、切り過ぎると枯れてしまう。幹だけの状態にまで強く剪定しても夏には元の状態に繁茂するプラタナスとは全く違う」と話し、「私の経験から言えば、このナナカマドの何割かは、枯れると思う」と予言した。

 道路を管理する、上川総合振興局旭川建設管理部事業室事業課(旧旭川土木現業所)によると、旭川市内の造園業者・M社が、この愛別・当麻・旭川線を含めて、ナナカマド三百十四本、イタヤカエデ百四十二本、イチョウ六十五本の剪定の入札に参加して落札。二〇一二年十一月から十二月にかけて作業をおこなった。同年十二月二十日、上川総合振興局の検査官に事業課の職員が同行して完了検査を行い、「合格」と判定したのだそうだ。設計変更などで結果的に入札価格よりも三十二万円多い、四百七十五万円が支払われたという。

 昨年二月、事業課の担当者(一カ月半後に転勤)と私との問答は――

(工藤 稔)

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