十月二十日号の小欄、「鉄道の『存在効果』、JR北海道の鉄路を維持する方策はあるぞ」は、過疎が進む地方の鉄道を国や地方自治体が支え、JRが運営を担当する『上下分離』の形にすべし、同じインフラである道路には湯水のように公金を注ぎ込んで、なぜ鉄道だけが「赤字だ、黒字だ」を問われなければならないのか、道路に付けている莫大な予算の一部を鉄道に回せばいいだけの話、過疎を助長する北海道新幹線の馬鹿騒ぎは見ちゃいられない――大雑把に言えば、そんな話だった。読者から手紙とメールが届いた。紹介する。
まず、七十一歳の男性から。時々、手紙をいただく方だ。
――十月二十日の編集長の「直言」に同感、というより気がつくのが遅い、というのが実感。私は国鉄民営化が言われだした頃から、折にふれ、「上下分離」を提言している。
十年くらい前に道の意見募集があった時に、それらを含めて提案したが、道は「北海道は鉄道より車主体の利用が多いので、これからも道路整備を重点に進める」主旨の返答であった。(中略)
かつて、ある国交大臣が「吹雪になれば、すぐ閉鎖しなければならない北海道に高速道路は本当に必要なのか?」と言ったことがあったが、私も同感である。
平成になってから北海道に投入された高速道の資金を鉄道整備費に回していれば、今頃は函館から稚内、網走、根室まで複線電化していてもおかしくない。そうなれば時速百五十㌔運転も可能で(新潟県のほくほく線は百六十㌔運転している)、札幌から函館まで二時間弱、稚内、釧路まで三時間が実現していたと思う。
鉄道が民営で成り立つのは、百万都市圏だけだ。北海道なら、小樽―岩見沢、札幌―苫小牧くらい。あとは廃線になっても仕方ないということか。
(工藤 稔)
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