大笑いしてしまった。ある市議会議員の話にである。「私の質問に対する答弁よりも、よほど踏み込んで、明確に答えるんですよ、参っちゃいますよぉ」。

 このページにあるが、市議会の議場で行われた「子ども議会」のことである。今春初当選したこの議員は、「公立『ものづくり大学』の開設を目指す市民の会」の運動に共鳴し、議会で熱心に質問している。彼の質問に対する西川市長の答弁よりも、“小学生議員”に対する答弁の方が、より積極的に大学設置を目指すと市長は表明したと言うのだ。

 この話を聞いて、今年度六百万円の調査費が計上されながら、なかなか進展しない「ものづくり大学」開設に向けた動き=関連記事3面=が、いよいよ始まるのかな、という気がした。慎重でなかなか本音を語らない市長も、子どもには気を許したのだろう。「子ども議会」や「女性議会」の試みも、悪くない、一定の役割を果たすものだと、認識を新たにした。枕はここまで。

 十月三十一日付の北海道新聞二十四面に、全面広告が載った。大きく「『高レベル放射性廃棄物』の地層処分について、知ってほしいことがあります」とある。広告を出したのは、NUMO(原子力発電環境整備機構)。旭川から百五十㌔㍍ほど北の幌延町にある実験・研究施設「深地層研究センター」を運営する組織である。その根っ子は、日本原子力研究開発機構(JAEA)。あれ、つい最近耳にした名前だぞ。ほら、原子力規制委員会が、「高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)の運営は任せられない」とレッドカードを出した、あのJAEAよ。

 爆発事故やら一万点を超える点検漏れの発覚やら次々に事件を起こしながら、一ワットの電気も発電しないにもかかわらず、二十年間、ナトリウムを冷やすために大量の電気を使い、一日五千五百万円、一兆円以上の巨費を注ぎ込んできた、あの「もんじゅ」の運営組織がJAEAである。

 そのNUMOの広告には、「地層処分を実現する。それが私たちの使命です。」とある。そして次のような言葉で、巧みに、ウブな国民に責任を押し付けようとする。

 

(工藤 稔)

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