右の記事にあるように、有識者や公募市民でつくる「市庁舎整備検討審議会」の委員の皆さんが、四回の会議をまとめて市長に答申する「案」について、「おおむね了承」したという。ところが委員の一人は、「あの答申案の文章、私には、意味が分からない」と憤る。

 公募委員である彼が「分からない」と言うのは、例えば次の部分。新しい市役所庁舎の規模を論じる中で、社会福祉協議会や商工会議所を入居させる案に対する審議会としての見解。小タイトルに「新たに追加する機能の必要面積」とある。

 ――新たに追加する機能については、主に、行政と連携可能な窓口機能として市が示した、旭川市社会福祉協議会及び旭川商工会議所が新庁舎に入ることについて、「社会福祉協議会は庁舎に必要だが、組織全体が必要かは疑問」「商工会議所は、一般市民にとってそれほど身近ではなく、千四百㎡も必要ないのではないか」という意見が出されました。

 その結果、当審議会としては、新たに追加する機能についての妥当性は理解できるものの、市民にとって必要な機能を精査し、他機能との併用も考慮して、最低限必要な面積とするべきという結論に至りました。(引用終わり)

 彼は言う。「商工会議所は一般市民にとって身近ではないから、千四百㎡も必要ないけど、五百㎡くらいならあっても良いという意味なのかい? 最低限必要な面積って、一体、何㎡なのさ。結論に至りましたって、どれが結論だ?」

 彼が指摘する「意味不明」はまだあるが、省く。そもそも、を書こう。この審議会の委員は、自ら手を挙げた公募の四人を含めて二十人にのぼる。識者の立場の大学の先生や元先生、あとは例によって「あて職」。商工会議所、老人クラブ、市民委員会、PTA…。はっきり言って、議論など出来る状態じゃありませんね。つまり、手続き。税金を使って「こと」を進める以上、幅広い市民の声をお聞きしましたよ、というポーズを取る必要がある。「アリバイづくり」と言ってもいい。

(工藤 稔)

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