絵本作家のあべ弘士さん(59)が、老舗の居酒屋、独酌三四郎(西岡あきらさん経営、二ノ五)の、襖絵を描き始めた。同店が一九四六年(昭和二十一年)に開店してから、今年六十周年を迎えることを祝ってのプレゼント。

  この日は、襖二枚に「雪解けの嵐山」を描いた。樹林と川の上を渡り鳥の群れが飛び、赤いシャッポのクマゲラが幹に止まっている、幻想的なタッチの作品。すでに、八畳間二部屋を仕切る襖の片面四枚には、アムールトラが迫力ある姿で描かれている。

  あべさんは、旭山動物園の飼育係時代から同店の常連。「この襖絵に完成はありません。絵を描けて、お酒を飲める間、手をかけていきたいと思っています」と話している。