画像 紫山流松永社中の習作展が、ギャラリー多夢座(神居四ノ一、旭川トヨタタムザ神居二階)で開かれている。

 紫山流では、箱庭を高度に芸術化した「盤景」、盤景を発展させた彫刻的な絵画「浮彫画」、大理石の砂を使って描く「砿石画」の三つの表現方法を学ぶ。今展では、紫山流宗家補佐で旭川支部長の松永きくえさん(79)をはじめ、生徒たちの浮彫画と砿石画あわせて三十一点を展示している。

 紫山流で最も難しいとされる画法が砿石画。着色された大理石の砂を指でつまみ、接着材を塗った板の上に少量ずつ落として制作する。集中力を必要とし、「筆で描いたように自然な表現が出来るまでには三十年かかる」(松永さん)ほどだと言う。

 砂は四十八色あり、組み合わせで無限の色彩を表現できる。特に「ぼかし」の表現力に優れ、深い山や湖にうっすらとかかる霧の表情は、砿石画ならでは。

 松永さんは五十六年前から紫山流に取り組んでいる。昨年までは旧ほっかいどう社会保険センター旭川内の教室で指導していたが、同センターの廃止に伴い、現在は自宅で指導を続けている。二年前に夫を亡くし、「悲しみを振り切ろうと、今展ではあえて明るい色づかいを心がけた」と話している。

 二十三日まで(きょう十八日は休廊)。午前十時~午後五時(最終日午後四時まで)。