旭川の書道界発展に力を尽くした塩田慥洲さん(一九〇七―二〇〇三)の生誕百年記念書展が二十一日から二十四日まで、市民文化会館展示室で開かれた=写真。

 塩田さんは十五歳で代用教員になり、その後旭川市立女学校や旭川東高、道教育大旭川校などで書道教師として教鞭を取った。今回塩田さんをしのび、多くの人にその偉業を伝えようと実行委員会(渋谷北象委員長)が結成され、生誕百周年の今月、記念書展が開かれることになった。画像

 会場には代表作の「盲亀浮木」や「原爆行」など幅三メートル以上の大作を含む四十四点が並んだ。墨象と呼ばれる大筆で豪快に書いた作品が中心だが、洞爺丸台風の後に層雲峡に建てた樹霊碑の碑文や般若心経などもある。また小熊秀雄詩碑や旧中央小学校の記念碑など、揮毫を手がけた碑の写真、愛用の筆や落款なども展示された。

 会場には書道関係者をはじめ、女学校時代の教え子なども全道各地から訪れ、慈愛の心を持って書道教育に励んだという塩田さんに思いを寄せていた。