img上川地方のアイヌ民族の研究に六七年(昭和四十二年)から継続して取り組んでいる旭川竜谷高校郷土部が、研究スタート四十年を記念して、活動の記録をつづった「上川アイヌの研究」を刊行した。

同部は五八年(昭和三十三年)の学校創立と同時に創部。前顧問の福岡イト子さん=小樽市在住=が同校に赴任した後の六七年から、上川地方のアイヌ民族の研究に取り組み始めた。

同部では毎年、部誌「上川アイヌの研究」を発行している(七七年は二回発行)。各年の部誌をまとめた本は九〇年(平成二年)にも一度発行した。今回の刊行は、その復刻とともに以降分を追加する形で刊行した。

A4判の二部立てで、六七年の「その1」から〇五年の「その40」までを収録。古くて不鮮明な写真を一部差し替えた以外は、発行当時そのままの形で掲載している。

研究対象は住居、食、衣服、舞踊、子どもたちの遊びなど様々で、挿し絵もふんだんに使い、分かりやすく紹介している。研究本文のほかに部員の感想や、昭和四十六年度の旭川市文化奨励賞を受賞した時の関係者の祝い文、新聞の切り抜きなども掲載され、部の歴史を知ることも出来る内容だ。

九一年度から顧問を務める本間愛之教諭(42)自身も同部出身。刊行した本について「これまで北海道のアイヌ民族研究は、白老や日高が中心で、上川アイヌに絞ったものは珍しいと思います」と話す。

現在の部員は三年生が三人のみ。五十人を超えた時期もあった最盛期と比べると寂しい。本間教諭は「部員と一緒に新一年生の勧誘に力を入れたい」と、部の伝統を守る意欲を見せている。

非売品。五百部印刷し、市内の図書館などで閲覧出来る。問い合わせは同校(TEL39―2700)の本間教諭へ。