imgヤマト運輸が地域への貢献のために実施している「こども交通安全教室」が八日、あすなろ幼稚園(末広三ノ三)で開かれた。

この安全教室は、同社が九八年(平成十年)に始めた取り組み。安全第一と地域密着型の社会貢献を目的に、全国で展開している

主に幼稚園や保育園などで開催。教える内容は敷地の条件にもよるが、園内にトラックを持ち込み、内輪差についてや、車両下にもぐりこむと危険なこと、また運転席に児童を座らせ、運転手にとっての死角を体験させる、といった安全教育。

ヤマト運輸には全国に約六千のセンターがあり、それぞれに安全担当者を置いている。各地域で行うこども交通安全教室の指導役には、その地域を所管するセンターの安全担当者を中心に、ドライバーたちが加わる。家庭に戻れば、幼い子どもの父母というドライバーも多いため、指導メニューの創意工夫には自然と熱が入るという。全国で一年間に約千二百回の安全教室を行い、これまで百三十万人ほどの園児・児童に交通安全を伝えてきた。

道北管内では、年間で三十回ほど教室を開いている。ヤマト運輸の道北主管支店社会貢献課・田崎博之課長は「園内にトラックを持ち込んでの説明ですので、子どもたちにとっては言葉だけで教えるよりも実感しやすく、啓蒙の効果が高いと思います。北海道は降雪期の教室開催がしずらいという難点があり、現在の実施回数については決して多いとは言えませんが、さらに多くの園に参加して頂き、回数を増やしたいと考えています」と話している。

あすなろ幼稚園の和島徹男園長は「今回は子どもだけでなく、父母の方々にも参加してもらいました。歩行者だけが被害者なのではなく、運転手も悲惨な生活になること、また親が交通事故を起こすと一家が総倒れになってしまうことなどを一緒に学びました。ヤマト運輸さんのこうした取り組みは、園児にとってだけでなく、父母の方々にとっても意義の深いものであると思います」と話し、この取り組みの広がりに期待を寄せていた。