六十三年前の八月六日、広島に原爆が落とされました。一瞬の閃光が、広島のまちのすべてを焼き尽くし、熱風がおびただしい数の生命を奪い、生き残った人々も、被爆者として、苦痛に満ちた辛い人生を強いられました。

「二度とヒロシマ・ナガサキを繰り返してはならない――」。被爆者たちは、共通するその思いを後の世に伝えようと、自らが見たあの惨劇を絵に描きました。絵は三千枚に達し、広島平和祈念資料館に永久保存されています。

「原爆の絵展」旭川展を実行する原爆の絵をみる会(吉田勝弘ほか共同代表)は九年前から、毎年六十点づつ異なる作品を広島から借り受け、旭川市民の前に原爆の悲劇、戦争の悲惨さを訴えてきました。

絵のほとんどは、技術的に拙いものです。しかし多くの作品には、被爆者の心の叫びとも言える、当時を回想した短い文章が付けられています。それを読めば、原爆の惨劇、卑劣さ、そして被爆者たちの平和への願いを強く感じます。私たちもまた、平和への思いを新たにせずにはいられない絵画展です。

原爆の絵展は八月四日~九日。会場はアッシュアトリウム(一ノ七)です。午前十時~午後六時(最終日は五時まで)。問い合わせは事務局長の永江さん(TEL34―0919)へ。