img市内在住の画家、森田喜昇さんの絵画展がアラビゴコーヒー神楽店(神楽五ノ八 神楽小となり)で開かれている。

純生美術会、全道展会員の森田さんは、大正十三年生まれの元中学美術教諭。聖園中などで教壇に立ち、神居中では校長を、また退職後は道教育大旭川校で非常勤講師も務めた。

絵画は幼少の頃から好きだった。「教職時代から、教える生徒たちに負けたくないという思いで創作してきました」と振り返る。静物、風景、仏画など具象のほか、抽象も手掛けてきた。

img近作のテーマは「雨の風景」。買物公園の路上にたまった雨水が「鏡」になった、その光景を絵にする。森田さんは作品の中に意識的に黄色を配置する。「雨の風景」の作品群も同様だ。黄色い自転車や自動車が雨上がりの都市に彩りを添える構図は、観る人に現代詩の読後にも似た透明感を感じさせる。

「雨の風景」は、自ら撮影した写真を元に描く。雨があがって、空がいくらか明るさを取り戻し、かつ通行人や自動車に「鏡」を崩されない、その一瞬を狙って撮る。制作前の取材には、カッパ姿で傘を持たず臨むそうだ。

今展は「雨の風景」数点を中心にして、二~百号までの油彩画近作二十五点を展示している。

三十一日まで。午前十時~午後六時(最終日は午後三時半まで)。問い合わせはアラビゴコーヒー神楽店(TEL63―5005)へ。