img市内在住の彫金作家、髙野ひろみさん(46)の金属工芸展がこども冨貴堂(七条買物公園)内のギャラリーKIDSで開かれている。

髙野さんが彫金を始めたのは、いまから二十一年前。欲しいと感じるアクセサリーが身近になかったことがきっかけだった。約十年は趣味として取り組み、その後はプロ作家として活動している。制作は旭川で行うが、販売先の多くは札幌や本州で、旭川での展示会は少ない。こども冨貴堂で開催するのも今回が初めてだ。

道内の彫金作家には、銅板レリーフなど大きな作品を手掛ける人が多いと言うが、髙野さんはアクセサリーからこの世界に入ったため、凝った細工の小物が多い。今展に出品しているのは、掛時計、ランプスタンドのほか、桃の節句飾り、猫をモチーフにした壁飾りなど。銅と真鍮が主な材料で、銅はガスバーナーで焼き変色させ、微妙なグラデーションを表現している。電動工具は使用せず、ほとんどの工程を手作業で行う。

imgクッションや着物の帯など布ものを模した小物は、金属が材料でありながら柔らかさが見事に表現されている。髙野さんは「木工や陶芸の材料はそれだけで存在感がありますが、それとは対照的に、加工前の金属はただの板状で表情がありません。手を加えれば加えるほど表情が出て、生きてきます。そんな素材との“だまし、だまされ合い”が金工の魅力」と話す。

会場では指輪などのシルバーアクセサリーも展示販売している。十八日まで。午前十時~午後六時。問い合わせはこども冨貴堂(TEL25―3169)へ。