隠れた名作を自主上映する市民グループ、旭川映画村の二十周年記念上映会が六月二十五日(土)、旭川市民文化会館小ホールで行われます。

 上映作品は「扉をたたく人」「マルタのやさしい刺繍」の二本です。

 「扉を~」は〇七年のアメリカ映画。妻に先立たれ一人暮らしの孤独な大学教授ウォルターが久し振りにニューヨークの別宅に行くと、見知らぬ移民のカップルが住んでいた。それがアフリカンドラム奏者のタレクとの出会いだった。ドラムを習うことで二人の仲は深まっていくが、突然タレクが不法滞在を理由に拘束されてしまう。ウォルターは怒りを込めて叫ぶ。「ひとをこんな風に扱っていいのか、あんないい青年を。こんなの間違っている」――。9・11以降、移民や不法滞在に厳しい措置をとるようになったアメリカ。タレクとの出会いによって人間らしさを取り戻すウォルターの姿を通じて、いまアメリカに暮らすの人々の心の奥底を描いた作品です。

 「マルタの~」は〇六年のスイス映画。スイスの小さな村に住む八十歳の女性マルタは、夫に先立たれ消沈する日々。そんなある日、若かりし頃の夢“自分でデザインして刺繍をしたランジェリーのお店をオープンさせる”を思い出す。保守的な村はそんなものハレンチだと大騒ぎに。負けずにマルタと三人の友人たちは、夢を現実のものとするため動き出す――。多くの公用語が存在するため映画がヒットしにくいとされるスイス。その国で同年公開の「ダ・ヴィンチ・コード」を動員数で抜くなど、社会現象を起こした話題作です。

 二本立て料金は千六百円(前売りのみ)、一本は前売り千二百円、当日千五百円、高校生は当日のみで千円。前売りチケットは冨貴堂各店、こども冨貴堂、あさひかわ新聞などで取り扱っています。

 時間は「マルタ~」が①正午②午後四時半、「扉を~」が①午後二時②六時半(開場は各三十分前)。問い合わせは旭川映画村(℡23―3623)へ。