アイヌ民族に伝わる口承の叙事詩「カムイユカラ」を日本語に翻訳した「アイヌ神謡集」を残し、十九歳でこの世を去った知里幸恵(一九〇三年・明治三十六年―一九二二年・大正十一年)の聖誕祭「銀の滴・降る日」が六月八日(水)幸恵の文学碑がある北門中学校(市内錦町十五)で開かれます。

 明治政府の同化政策の下、絶滅の危機にあったアイヌ民族の美しい言語やすぐれた文化、風習を多くの人たちに知ってもらおうと、重い心臓病を押して翻訳・編集作業に没頭した幸恵は、「銀の滴降る降るまわりに」で始まる「アイヌ神謡集」が完成したその夜、心臓発作で十九年の短い生涯を閉じました。

 一九九〇年(平成二年)、幸恵が祖母と暮らした地に近い、北門中学校の校庭に市民らの募金によって文学碑が建てられ、毎年、幸恵の誕生日の六月八日に集いが開かれています。

 午前九時四十五分から、同中学校講堂で、文学碑建立の運動で中心的な役割を果たした荒井和子さんが「知里幸恵を学んで、この地域の歴史を知ろう」と題して講演。旭川チカップニアイヌ民族文化保存会によるアイヌ古式舞踊の公演をはさんで、午前十一時半から、文学碑に幸恵が好きだったエゾカンゾの花を参加者全員で献花します。

 参加無料。雨天決行です。問い合わせは実行委員会事務局の工藤さん(℡52―5786)まで。