酒蔵に活気があふれる季節。髙砂酒造(宮下通十七)では今年も年始に向けた菰樽(こもだる)作りが行なわれている。

 菰樽は結婚式や選挙の事務所開きなど年間を通じて使われるが、年始の鏡開きに使われることがほとんどだ。今年は東日本大震災の影響からか、昨年に比べて出荷数は二割ほど減り約百六十樽となった。主に道内からの注文だという。

 樽は四斗、二斗、一斗の三種類。作業は杉樽に熱湯を入れ一晩寝かせて樽の渋抜きをし、翌日に日本酒を入れる。日本酒入りの樽を化粧菰で巻き、藁縄で締めて完成だ。約二十人の蔵人(酒造りの職人)が二、三人づつ交代で毎日行なう。

 この日は藁縄で菰樽を締める仕上げの作業が行なわれた。「腕にもよるが、作業は約一時間程度。仕上げに縄できつく結ぶ作業が一番難しい」と蔵人の臼田博さん(62)は話す。

 作業は年末まで行なわれ、注文があれば製作する。問い合わせは同酒造(℡23―2251)まで。