国際ソロプチミスト旭川(新﨑眞理子会長)の「スプリングチャリティーパーティー」が五日、旭川グランドホテルで開かれた。

 同団体の恒例事業で、今年はバリトン歌手の旭潔(あさひきよし)さんを迎えた。「日本を歌う」をテーマに日本の楽曲の詩の美しさを味わうとともに、昨年の震災で命を落とした人たちへの鎮魂の思いを込めた。

 旭さんは、無事だったら便りをくださいと遠方の人を思う歌詞の「出船(でふね)」(勝田香月作詞)を皮切りに、落葉松(からまつ)」「千の風に なって」「荒城の月」など八曲を歌い上げ、アンコールにはイタリアのカンツォーネで応えた。三百十九人の観客は、旭さんのマイクなしのバリトンの美声に聞 き入った。

 東京在住の旭さんはコンサートの中で三・一一やその後の余震について触れ、「本当に怖かった。家にいても船酔いするような日々だった」と涙ぐみながら、「あの日以来、緊急地震速報ばかりで深く眠れたことがなく、ゆっくり眠れたのは旭川が久し振りです」と話した。

 パーティーの収益金は母子生活支援施設の旭川隣保会トキワの森、北海道新聞社野生生物基金に寄付した。

  国際ソロプチミストは1921年、アメリカ・オークランドで設立。職業を有する女性の世界的組織で、人権と女性の地位を高める奉仕活動にあたっている。会員数は約9万人。会員国連の諮問機関、NGOとして120カ国で活動している。

 国際ソロプチミストは、南西太平洋、アメリカ、イギリス・アイルランド、ヨーロッパの4つの連盟に分かれており、日本はアメリカ連盟に属している。日本国内は北、東、中央、西、南の5つのリジョンに分かれており、旭川は北リジョンに属する。

 近年の活動では、子どもの虐待防止(オレンジリボン運動)、乳がんの早期発見啓発(ピンクリボン運動)、人身売買防止、DV・デートDVの根絶などに力点を置いている。

 国際ソロプチミスト旭川の会員数は、2012年3月現在で36人。毎年3月のチャリティーディナーコンサート、また9月のチャリティー寄席の開催を中心に活動し、その収益金は慈善団体や自治体の基金などに寄付している。