10条20丁目TEL32―1580

 広い店内、落ち着いた家具に囲まれ、流れるジャズが心地よい――「珈琲亭のあ」にやって来ました。

 喫茶店なのでまずは有機栽培の豆を使ったブレンドコーヒー(四百五十円)を。うーん、香り高く、クセがなくあっさりとした味わい。淹れ方はフレンチプレスを使用した「プレス式」。輸入業者などが行うテイスティングに最も近く、コーヒー豆の素材の味がそのまま出るため、新鮮な豆でなければ悪い味まで出てしまいます。コーヒーの油が浮くのもこの淹れ方の特徴です。「日本でフレンチプレスを初めて採用したという、京都の丸山珈琲さんで勉強しました」と話すのは店主の沼形香織さん。

 天然酵母の自家製パンで作った「のあサンド」(四百八十円)は、食べる前からバターとパンの香りがたまりません。潰してもすぐ元に戻るほどのもっちりとした食感のパンにバター、チーズ、ハム、レタスというシンプルな中身。素材のうまみが活きています。チーズもバターも道産、添加物が少ないものを選んでいるそうです。セットのサラダも果物も優しく新鮮な味。サラダの卵は士別農園の平飼い有性卵。サラダはドレッシングでも、まろやかなモンゴル産の岩塩をかけるのもオススメです。

 沼形さんは昨年の大震災で、液状化現象が起きた千葉県浦安市から出身地の旭川に移り住み、今年五月にこのお店をオープンしました。「自分なら安心安全で美味しいものを食べたい、そんな思いで作っています。素材も極力、無添加・有機栽培で新鮮なものを使って。原価計算なんて恐ろしくてできません」と笑います。

 水曜・日曜定休。午前十一時から午後六時まで。

(取材・太野垣陽介記者)

ケロコのひとことメモ

 何度か気になっていたお店で、入って正解。オーガニックコーヒーが飲みやすくておいしく、普段砂糖を入れる私でもブラックのままで大丈夫。

 「のあサンド」を食べて感激です。パンがモチモチフワフワ。何枚でも食べたいおいしさ。サラダのドレッシングもおいしく、ゆで卵が一個入ってるのも嬉しい。

 気になったのが自分で作っているという酵素ジュース。体に良さそう。体に優しいメニューが並んでいるけど、押しつけがましくない所がいいわぁ。またコーヒーとパンを食べに行きます。

2012年08月28日号掲載