市内の経営者ら約百二十人が参加するカムイミンタル塾が二十五日、旭川グランドホテルで開かれた。

 「逆境をバネに~北の経営者の心意気~」をテーマにした六回目のゲスト講師は、人材派遣会社・キャリアバンクの佐藤良雄社長。佐藤社長はキャリアバンクのほか給与計算のアウトソーシング会社・エコミック、SATO行政書士事務所なども経営し、札証のアンビシャス市場に上場している。

 佐藤社長は「経営者は成功することもあるが、失敗も必ずついて回る。むしろ、失敗する例の方が多い。だが失敗しても、命まで取られることはない。自分の財産がゼロになるだけだ。挑戦する能力を持っているみなさんは、それをどう選択するかだけの問題だ」と前置きし、友人が経営していたカブトデコムの破綻で被った借財を返すまでの経緯や異業種の若手経営者の集まりの中で、「あいつだけには負けたくないという気持ちで、お互い切磋琢磨したことが今につながっている」と話した。

 また、自らに課していることに、①人脈づくり②人材育成③経営に関わる時間を誰よりも多く取る④人と異なることを大事にする、の四点を挙げ、「自分のスケジュールは自分で主体的に決める。そのため、葬式や結婚式、ロータリークラブなどには出ないことも信条としている。旭川の経営者たちは仲が良く、付き合いが多すぎる」とも語り、会場の笑いを誘っていた。

 常連講師の経済評論家・日下公人氏は「北海道の経営者に欠けている事」、元国税庁長官・大武健一郎氏は「アジアで羽ばたく日本の若者」と題して講演。最後は日下氏と大武氏、佐藤氏の三氏による「アジアと共生する北北海道のビジネスターゲットは何か」をテーマに鼎談がおこなわれた。