五・七小路ふらりーとの焼鳥店「ぎんねこ」が、新子焼きの真空パックを商品開発、十二月四日から販売を始める。来店したお客にお土産として買ってもらうほか、インターネットを通じて全国に販売する。

 焼鳥専門「ぎんねこ」は一九五〇年(昭和二十五年)の創業。新子焼きは、若鶏の骨付き半身を丸ごと炭火でこんがりと焼く、旭川のご当地グルメだ。昭和の雰囲気が色濃く残る店で、六十三年間注ぎ足して来た秘伝のタレをくぐらせる新子焼きは、ぎんねこの看板メニューの一つ。

 旭川発祥とされ、市民にはおなじみの新子焼きだが、実は道内でも「新子って何?」という人がほとんどだ。そこで六月、市内で新子焼を提供している飲食店六店と食肉会社などが集まり、「旭川名物“新子焼き”の会」を結成、のぼりやポスター、パンフレットを制作し、「旭川名物」として市内外にアピールし始めた。

 さらに今夏、同店が全国ネットのテレビで紹介され、道外からの観光客が新子焼きを食べに店を訪れるようになった。

 そんな経緯もあって、以前から新子焼きを旭川の名物として全国に発信できれば、旭川の観光資源の一つになるのではと考えていた同店は、地方発送できる商品の開発に取り組み始めた。

 失敗と試行錯誤を繰り返しながら、食品加工卸の「ユアーズ」(市内流通団地二ノ三)、食肉加工の米谷産業(永山十一ノ二)の協力を得て、三代目の久保竜弥さん(33)が生の若鶏を備長炭で自らじっくり手焼きして、真空パックし、それを急速アルコール冷凍するという製法にたどり着いた。

 冷凍庫から取り出して電子レンジや湯せんで温めれば、いつでも、あのかぐわしい香りと風味の新子焼きを味わえるというわけだ。

 発売を記念して、お店に受け取りに来れる人に限り、十二月四日から二十日までの期間限定で、通常は千二百円のところ百個限り、特別価格千円で販売する。

 同時に、インターネットを通じた販売もスタートする。インターネット販売のウェブサイトは、北海道マルシェ( hokkaido-marche.com)。

 久保さんは「市外や道外の人に旭川の名物として認知してもらうのが目的です。真空パックで味見をして、本場の焼き立てを食べに、旭川に来てくださいというメッセージもこめています」と話す。

 例年通り、クリスマスとお正月用の新子焼き(タレ・塩、千二百円)の予約も受付中だ。問い合わせは、焼鳥専門ぎんねこ(TEL22―4604)へ。