喫茶と軽食の店、舞ふれんど(市内末広五ノ一)のギャラリーで、「うれし恥ずかし二人展」が開かれている。

 出展しているのは、同店のママ・伊勢志津子さん(56)とマスターの國治さん(67)のご夫婦。ママの油絵六点、色鉛筆の絵九点、そしてマスターの書十二点を展示している。初めての二人展だ。

 同店は、創業二十八年。現在の店舗を建築した十八年前にギャラリーを併設した。一般的なギャラリー喫茶とは違い、独立したスペースで、広さも十一畳ほどある。絵や焼き物、押し花、ステンドグラスなど、プロの作家や趣味のサークルなど、一年前から展示会の予約で埋まってしまうほど人気のギャラリーだ。

 志津子さんは、喫茶店を始めてから油絵を描くようになった。「店に飾る絵を自分で描けば、高いお金を出さなくてもいいかなと思って」と笑う。静物や風景をモチーフにした作品の多くに、猫が描かれている。志津子さんの作品のトレードマークになっていて、常連客から「うちの猫を描いて」と写真を渡されて依頼されることも度々。

 國治さんが書道を始めたのは、三年ほど前。菩提寺の鷹栖町・専証寺の住職に勧められたのがきっかけ。「同居していた女房の両親を見送って、何となく仕事とゴルフだけになった心境になっていてね」と國治さん。仕事が休みの火曜日の夜、お寺で開かれている書道教室に通うようになった。

 「三日坊主で終わるだろうと思っていたら、意外に続いて、三年になっちゃった。私の絵より熱心かもしれないわ」と志津子さん。「年末年始はギャラリーを使ってくれる人たちも何かとあわただしいし、自分たちの作品もどうにか人に観てもらえる程度のレベルになったかも知れないし、一人じゃ心細いけど二人なら、と考えて、一年前に予定を入れたんです」と二人展の開催を決めた。

 猫が描きこまれた志津子さんの油絵と還暦を過ぎてから始めてメキメキと上達した國治さんの書の作品が、ギャラリーを温かな空気で包み込む二人展は、年明けの一月二十日まで――。