北彩都病院(宮下九)で十四日、市民講演会が行われ、同院副院長で泌尿器科の山口聡医師が「結石って本当は怖いんです! 知って得する尿路結石のお話」と題して講演した。

 尿路結石は、腎臓から尿管・膀胱・尿道までの尿の通り道に石が発生する病気。転げまわるような激しい痛みを伴う。

 〇五年(平成十七年)の統計では、日本で一年間に約十七万人がこの病気にかかっており、患者数は年々増え続けている。生涯で見ると、男性は七人に一人、女性は十五人に一人の割合でこの病気を経験している。三十年前までは開腹手術で石を摘出したが、現在では九九%が開腹せず、内視鏡手術と体外衝撃波で治療する。講演では、実際に膀胱に発生した結石をレーザーで砕く映像などが上映された。

 体外衝撃波について山口医師は、この技術はもともと第二次世界大戦中のドイツ戦闘機メーカーによって考えられたもので、海中の潜水艦の外側は壊さず、中の乗組員だけを殺傷しようと研究を始めたものだと説明した。また今年二月にロシアに隕石が落ちた際にも衝撃波が発生していたことを、落下瞬間の映像を見せながら話した。

 尿路結石は、何も予防しなければ五年間で約半数が再発するという。再発予防には一日に二㍑以上の水分を取ること、また夕食から就寝までの間隔をあけることなどが有効だという。またビールが尿路結石に有効という俗説について山口医師は「一時的な利尿効果はあるが、その後すぐに脱水状態となる。またプリン体を多く含み、高カロリーであることから、ほどほどの量にして、普通の水も十分に摂取を」とアドバイスした。

 また、尿路結石の患者にはメタボリックシンドロームと診断される人が多い現状などから、「食事の内容や取り方に気をつけ内臓脂肪を少なくすることが、両方の病気の予防や治療に結びつく」と説明していた。

 二部では、同病院の理学療法士、加藤早紀さんが体力低下の防止に有効な運動について話した。同病院ではこうした市民向けの講演会を年に二回開催している。