旭川美容協会に所属する美容師たちが四日、南消防署の救急係を招き救急対応を学んだ。

 美容室の来店客が高齢化してきたことから、サロン内での安全安心確保の観点から同協会が主催。会場の小林かもじ店(五ノ七)には、市内の美容室から十二人が参加した。

 講習は、美容室内で消防署員が扮する客が急に体調が悪くなるという想定でおこなわれた。急性心筋梗塞で意識を失った客が倒れ、美容師が119番通報。年齢や性別、現在の容態などを伝え、指令センターの指示に従って対処するという訓練に、参加者達は真剣な表情で取り組んだ。

 第二部は人形を相手に心肺蘇生法の実技講習。胸骨圧迫と人工呼吸、AEDの使用方法を学んだ。心肺停止状態になり脳がダメージを受けるまでおよそ四分。それに対し通報から現場への救急車の到着は約八分掛かる。講師の消防隊員は心肺蘇生知識や迅速な通報がいかに重要かを指導した。

 受講を終えた五十代の女性美容師は「仕事中にお客様が意識を失い、大変慌てたことがあります。大事には至りませんでしたが、このような講習を受けていれば、もっと落ち着いて対応出来たかと思います。心肺蘇生の指導を受けていれば、誰にでも出来て、人の命を助けられるなんて凄いことですね」と話した。