福祉関係に就業して三年目までの“新人”が主に参加するランチミーティングが九月二十五日、ゆい・ゆい本舗(東神楽町ひじり野北一ノ三)で行われた。NPOゆい・ゆい(野々村雅人理事長)の主催。

 ひとくちに福祉と言っても、大きく分けて高齢者福祉、障がい者福祉に分かれる。今回の集いのねらいは、違う施設・職業分野に勤務する者同士がネットワークを作り、今後の仕事や生活に生かすことだ。福祉や教育関係の二十五人が参加した。

 ミーティングでは、まず高齢者福祉と障がい者福祉の代表が、それぞれ近況や福祉への思いなどを話し、それを元にグループ討論をした。

 高齢者福祉の代表は、グループホームあけぼのⅢ(忠和六ノ六)に勤務して二年目の村田よし美さん(42)。転職後、自分の介護の姿勢に行き詰まりを感じ、利用者に対して事務的になった時期があったという。

 そんな頃、トイレで認知症の女性を介護していた折、無表情の心の内を察した女性から、何度も頭を叩かれた。村田さんは涙交じりに「認知症であっても感情は生きているのだと、逆に気付かされた」と語った。

 村田さんの話に対して、同じような経験をしたという参加者は「入居者の方から『あんた最近元気ないな』と言われたことがある。嬉しくもあり、申し訳なくも思った」と振り返った。

 一方、障がい者福祉の代表は、ゆいゆいさんぽ(東光十七ノ四)に勤務して半年の上田華蓮さん(18)。知的障がいがある弟の成長に感動して福祉を志し、高校を卒業後に同施設に就職した。

 上田さんは「障がいを個性と捉えて接したい」「利用者の成長を結果として求めていたが、半年が経ってそれほど重要でもないと思うようになった」などと話した。上田さんの話に、ベテランの参加者から「初心に返った気持ちになった」「葛藤した昔を思い出した」などの声が聞かれた。

 参加者はランチを食べたり名刺交換をしながら、一時間半ほどの時間をともに過ごして交流した。