一昨年に廃業した高砂台の入浴施設、ニュー温泉の跡地(高砂台八)で、解体中の建物から蒸気機関車が忽然と姿を現し、近所の人たちの話題となった。

 このSL「C58―2」は昭和二十年代前半の製造で、三井芦別鉄道で廃車になった後の七一年(昭和四十六年)にかつての宿のオーナーが購入した。ニュー温泉にSLが展示されているのは、常連客のほかSLファンなどの間でも知られていた様子で、インターネットで検索すると宿泊記が数件ヒットする。宿の方も本物のSLがあることを売りの一つにして、パンフレットやマッチ箱、湯呑みなどにSLの写真やデザインを施していた。

 ニュー温泉の近くに住むある人は、「犬の散歩で毎日のように通るが、ある日突然SLが見えたので驚いた。近所だと泊まりに来ることもないし、たまに入浴に行くのも高砂温泉だから、ここにSLがあったなんて、今まで全然知らなかった。近所の人たちも知っている人は少ないんじゃないでしょうか」と話していた。

 SLはすでにプレートなどが取り外された状態で、今週中に解体される予定だという。