旭川市4条6丁目・℡25―7800

 サンロク街、四条通り歩道橋そばにある和食店「板前・国部」にお邪魔しました。一昨年にこちらに店舗を移転しました。

 一階はカウンターとテーブル席、奥に掘り炬燵の個室があり、二階は二十人収容出来るお座敷です。厨房で腕を振るうのは京都で腕を磨いたご主人の国部忠さん(64)と息子の晃裕さん(34)。旬の素材を使った和食料理を提供します。

 「お造り五点盛り」(千三百円)はマグロや甘エビ、ヒラメなど定番の他に、今が旬の魚介が盛り込まれます。舌の上で広がるマグロの脂の美味しさやエビの甘さをじっくりと味わいながら、お酒をチビリ。ゆったりと流れる時間こそ和食の真骨頂です。

 旬の筍を使った「若筍の煮物」(八百円)は季節限定のメニューです。筍と相性が抜群のワカメと一緒に炊きました。ワカメは鳴門産。激しい海流でもまれたワカメは歯ごたえも風味も最高です。出汁の味がしっかりとしみた筍は、コリッとした歯ごたえがなんとも心地良い一品です。

 これからのシーズンはハモが旬だそうです。夏に向けて冷たい料理を考案中とのこと。「ハモの洗いを梅肉しょう油で食べていただこうかな」と御主人。骨切りした身のコリッとした食感を想像するだけで待ち遠しくなりますね。

 和食、会席のイメージはついかしこまってしまいますが、ここはそんな心配はいりません。気の合う仲間とぜひどうぞ。

 午後五時から翌午前二時まで。日曜定休。

(取材・草嶋一介)

ケロコのひとことメモ

 昭和通りから移転したのは知っていたけれど、気になりながら行っていなかった国部。やっと行ってきました。

 “昔のお父さん”のようなマスター。いつも笑顔を絶やさない奥様。そして奥様似のほんわか笑顔がステキな息子さん。何気ないおしゃべりがとても和みます。

 忙しさに紛れて、季節を忘れてしまいそうになったときに、目の前に出される旬の食材を使った料理の数々。ホタルイカも若筍煮も本当においしかった。フラッとまた立ち寄りますね。

 

2014年05月13日号掲載