旭川市南1条通25丁目・℡34―2363

 一条通から宮下通の方向、仲通りにある焼肉店「千香園」にお邪魔しました。

 周囲は住宅街というこの場所に店舗を構えて二十八年になるそうです。店主の本間秀春さん(73)と奥さんの明子さんの二人で店を切り盛りします。笑顔がとても素敵な明るいご夫婦です。

 開業以来、肉は全て市内緑町の高橋精肉店から仕入れています。質にこだわり、妥協は一切しません。「値切ったことは一度もありません。そのかわり良いものを持って来い、そう注文するんですよ」とご主人。その実直さがお客さんに浸透し、多くのリピーターが店を訪れます。

 「牛カルビー肉」(八百五十円)を早速いただきました。鉄板の上でジューッと焼ける音に期待が膨らみます。そして香ばしい香り。口に入れると、柔らかい肉の歯ごたえと程よい脂が口いっぱいに広がります。自家製タレの甘辛さもマッチし、ビールにもご飯にも合うこと間違いなしです。

 手をかけて丹念に仕込んだ「ホルモン焼」(四百五十円)は、臭みを全く感じません。ホルモンが苦手な人でも大丈夫、そう言っても過言ではないほど。実際にそういうお客さんも多いそうです。

 週末になるとファミリー客で賑わい、子どもからお年寄りまで様々な世代が食事を楽しみます。親子四代に渡る常連の家族もいるとのこと。「これまでよく続いたなぁ。ありがたいことです」と顔をほころばすご夫婦。いつまでも元気で続けてほしいお店です。

 午後四時半から午後十一時まで。火曜日定休。

(取材・草嶋一介)

ケロコのひとことメモ

 このお店に来て、肉やホルモンの美しさを改めて再認識します。本当にピカピカ光っていてきれいなの。

 ホルモンは臭みがなく、いくらでも食べてしまいます。入荷後、自分でもう一度洗い直しているとか。やっぱり秘密があるんだ。ホルモンは塩だと思っていたけれどタレもまたいいのね。

 そして和牛のロース。私は脂のないサガリが好きだけどこれは別格。口の中で溶けていきます。全部おすすめというのも納得です。何よりご夫婦の優しさがいいわ。

 

2014年06月24日号掲載