小熊秀雄賞市民実行委員会(橋爪弘敬会長)のメンバー七人が八日、常磐公園内にある小熊秀雄の詩碑の清掃をおこなった=写真

 市民実行委員会が賞の運営を担うようになった七年ほど前から、小熊の誕生日の九日前後に実施している。詩碑周辺のゴミや枯れ枝を拾い、雑草を取るなど、一時間ほど作業をした。

 小熊は一九〇一年(明治三十四年)、小樽市生まれ。稚内や樺太(旧サハリン)で少年時代を過ごした。様々な職業を経て、二十一歳の時に姉のツテで当時の旭川新聞社に採用され、文芸欄に詩や絵を発表。作家を目指して二度上京。「小熊秀雄詩集」「飛ぶ橇」などの詩集を発表して、詩人としての地位を確立するが生活は貧しかった。

 戦時体制、言論弾圧が強化される時代、自由や理想を奔放に歌い上げる作風で文学界に新風を送り込んだ。一九四〇年(昭和十五年)、病没。三十九歳だった。

 小熊詩碑は一九六七年(昭和四十二年)に、小熊の生き方と小熊作品を愛する市民の手で建立された。小熊には旭川風物詩シリーズの中に「常磐公園所見」と題する作品がある。