小説「氷点」の五十周年を記念して実施する「三浦綾子文学賞」の最終選考会が十一月十日(月)午後一時から、同館で行われます。現在、一般公開の参加者三十人を募集しています。
同賞は今年一月から募集を開始。締め切りの六月末までに、全国と海外から百七十作品の応募がありました。
七月から九月にかけて三段階の選考を行った結果、「海萌える」(平井利果、愛知県)、「颶風(ぐふう)の王」(河﨑秋子、別海町)、「神楽が聞こえる天の島」(越智みちこ、札幌市)の三作品が最終選考に進んでいます。
選考委員会事務局長の片山晴夫・北海道教育大学特任教授は「三人とも“手練れ”で、筆力があり、文章構成がしっかりしている。食事を忘れて読んでしまうほど面白い、レベルの高い作品が残った」と評しています。
最終選考の選考委員は、荒川洋治(現代詩作家)、加藤幸子(小説家)、工藤正廣(ロシア文学者)の三氏です。三作品についてそれぞれ講評を述べあった後、フリー討議を行って、午後三時頃までに受賞作を決める予定です。受賞作の作者には本賞として優佳良織作品と、副賞五十万円が贈られます。また受賞作は来春、KADOKAWAから出版されることになっています。
片山事務局長は公開選考について「文学賞がどのような選考経過を経て決定されるのか、納得でき、理解が深まる良い機会になると思います」と参加を呼びかけています。
希望する人は、はがきに「参加希望」と明記し、住所、氏名、電話番号を記入して、〒070―8007 旭川市神楽七ノ八 三浦綾子記念文学館に郵送してください。三十日(木)必着。問い合わせは同文学館(℡69―2626)へ。