中央アジアのキルギス共和国の首都・ビジュケクで、十九日から二十三日にかけて開催される「ジャパンフードフェスティバル」に、「食べマルシェ」ブランドの価値を高める委員会(伊藤友一委員長)が参加する。
 NPO法人和食文化とおもてなし促進機構(東京)が企画。海外へ日本食文化の輸出を手がけている同NPOの青木弓夫専務理事が昨年、食べマルシェを訪れ、道北の食文化の海外輸出を提案。
それを受けて「食べマルシェを一時的なお祭りではなく、道北の食の『ブランド』として広めていこう」と、デザイン会社を経営する傍ら「たいせつ食の元気隊」や「旭川ラーメンバーズ」を率いる伊藤友一さん(58)を委員長に、地元の食品メーカーや飲食店経営者らが集まり今春、委員会が発足した。
旭川を含む道北地域に加え、九州や静岡の団体も参加する。旭川から参加するのは八人。福居製餡所(二ノ二十)がお汁粉を、旭川駅立売(二ノ二十二)が巻き寿司などを販売。ヤキトリツヨシ(秋月二ノ一)や「旭川ラーメンバーズ」が実演販売などを行う。ほかにも地酒やお菓子をPRするとのこと。
十五日にはキルギスの北部、ナルーン州の知事や政府関係者ら六人と、青木専務理事が来旭し、委員会のメンバーと情報交換会を行なった。
キルギス共和国は、面積は日本の半分ほど、人口や気候は北海道に近く、ジャガイモの生産や酪農、畜産が盛ん。中国やロシアからヨーロッパ圏へと通じる流通の要所でもあり、物流や鉱業で近年、急速な発展を遂げているという。また遠い日本を「兄弟」と呼ぶほどの親日国で、風ぼうもよく似ている。
アマンバイ・ナルーン州知事は「今後とも成長が見込まれるキルギスでは、農業のノウハウや食品加工技術、医療などの面で北海道からたくさん学ぶことがあります。研修のための人材派遣や輸出入の可能性があります」と交流を呼びかけた。
伊藤会長は「キルギスの国民は真面目で穏やか、教育の質も高く熱心な人々だと聞いています。リサーチも兼ねた今回のフェス参加を通じて、ビジネスの可能性だけでなく、文化面での交流も行なっていきたい」と話した。