東川町の委託を受け、二〇一四年から道の産業用大麻・ヘンプの栽培許可を得ている松家農園の松家源一さん(同町)と北海道産業用大麻協会代表理事の菊地治己さんが十四日、試験栽培の報告会を同町役場大会議室で開いた。

 会場には本州からの参加者を含め、約七十人が集まった。

 松家農園でのヘンプ栽培は昨年五月初旬、野菜用育苗トレイに種を播く作業からスタート。二十二㌃の管理区域面積のうち、十㌃に約二千六百本の苗を植えた。十一月初旬に刈り取りを行い、乾燥させた茎をチップ化し、同町内のノザワ物産(能沢勇人社長)で麻炭をつくり、麻炭から麻炭粉を製造した。

 菊地さんは「ヘンプの本格的な普及のため、ヘンプの栽培・加工・採種の試験を目的におこなった。豪雨や雪による倒伏や枝折れがあったが順調に生育した。乾物生産はヘクタール当り約二十六㌧とバイオ作物として期待できる値を示したが、種子は登熟歩合が低かったことが課題として残った」などと報告した。

 松家さんは、乾燥麻茎のチップ化や麻炭の製造に至る過程を説明。製造した麻茎茶や麻酢液、麻炭入り石鹸などの製品を紹介した。「売れる製品を生産するメドが立たなければ、ヘンプを栽培する農家は育たない」と話した。