昨年三月に惜しまれつつ引退したJR北海道の特急「旭山動物園号」の世界観の再現を目指し、NPO旭山動物園くらぶと旭山動物園がクラウドファンディングに挑戦しています。同クラブが企画しました。

 JR旭川駅―札幌駅間を、十一年間、延べ約三十二万七千人の乗客を乗せて駆け抜けた旭山動物園号。絵本作家・あべ弘士さんがデザインを手がけ、“走る絵本”としてたくさんの人に愛されました。

 今回のプロジェクトでは、この動物園号を構成していた要素を、屋内施設(学習ホール)の各所に散りばめ、空間をつくりあげます。動物のぬいぐるみが椅子になった「ハグハグチェア」コーナーが再現されるほか、子どもたちの遊び場コーナーや、運転士気分で記念撮影できるコーナー、鉄道ジオラマ模型コーナーを設けるなど、あべ弘士ワールドが広がります。

 旭山動物園の坂東元園長は「動物園の新たな魅力をつくっていける場所になればと期待しています。そして、列車を愛してくれるみなさんと、また新たな一ページを刻めたら」と話しています。

 支援への返礼品は、クリアファイルや缶バッヂなどの限定品のほか、実際の車両で使用されていた「耳つきシートカバー」、さらには坂東園長のガイドで巡る園内ツアーや、あべさん、坂東園長と一緒に園内宿泊体験など、支援額に応じて各種用意されています。詳しい内容は専用サイト(https://readyfor.jp/projects/asahiyama-zoo-train)で確認して下さい。

 同プロジェクトは、オールオアナッシング形式で、目標に達しなければ実施されません。目標金額は一千万円で、達成率は九五%(十日現在)です。支援は二十三日(金)午後十一時まで受け付けています。

 問い合わせは、旭山動物園くらぶ(TEL73―6066、メール asahiyama@zooclub.jp)へ。