立春の四日早朝、男山(永山二ノ七)で生酒「男山 立春朝搾り」の出荷作業が行われた。

 「立春朝搾り」は、日本名門酒会が全国の協力蔵元に呼びかけて、地元の加盟酒販店と協力して一九九八年にスタート。毎年、全国の蔵元が立春の日の早朝に一斉に搾った生原酒を瓶(びん)詰めし、ラベル貼りなどの仕上げ作業を行う。その後、地元の神社でおはらいをして出荷する“縁起酒”だ。全国の四十三蔵が参加していて、道内では二〇〇四年(平成十六年)から男山だけが参加している。

 当日は、おはらいを行う神主が来られないというトラブルがあったが、無事に約一万一千本を加盟店各社に出荷。全道各地、遠方では函館から訪れた加盟店店主らに引き取られた。

 同蔵の北村秀文杜氏(58)は「昨年の夏は暑く味が出にくいと言われるコメでしたが、例年の味が出せるよう工夫して仕込みました。結果、ソフトでフレッシュな酒に仕上がったと思います」と説明した。

 七百二十㍉㍑入り千九百八十円(税込)。販売は終了していて、予約客に届けられる。また、同商品の売り上げの一部は、能登半島地震の被災者への寄付に充てられるという。(工藤森)