旭川高専(春光台二ノ二)専攻科の学生が地元企業と共同で開発した「経営ボードゲーム」の展示会が十日、道北経済センター(常盤通一)六階で開かれた。北海道イノベーティブ・デザイン経営研究協議会(HIDERA、浜田良樹代表)と旭川高専専攻科の共催。
HIDERAは「デザイン経営」の研究を目的に二〇二〇年に結成。子どもたちが地域の先輩から学ぶ体験型のイベント「まちなかキャンパス」の企画運営に携わるほか、経営を可視化するボードゲームを製作し、新入社員選考や社員教育に活用できる教材の作成を目指し、同校の教員、学生とともに活動を続けている。
今年度は、同科の二年生約二十人が三グループに分かれて、荒井建設(荒井克典社長、四ノ西二)、オノデラ(小野寺直道社長、東鷹栖二線十一)、元生会森山病院(森山領理事長、宮前二ノ一)のそれぞれのビジネスを、経験的に理解するための「経営ボードゲーム」を開発。荒井建設は「道路工事」、オノデラは「金属製品の製造工程」、森山病院は「病院経営」をテーマに、学生らは試行錯誤を重ねながら制作を進めていったという。
展示会当日は、企業の関係者や市民ら約三十人が参加。学生の丁寧な説明を受けながら、ゲームを楽しんだ。
オノデラを担当した、同科二年・岸田武竜(たける)さん(22)は「先輩たちが前回作ったゲームは難易度が高く、プレー時間も長かったので、一回当たりの時間が短くなるように内容を改め、ゲーム性も高めています。社員の皆さんにじっくり聞いた話の内容を盛り込み、これをプレーすることで業務内容や製造工程が理解できるように仕上げました。まだまだ改善点はあるものの、求められるものはできたと思います」と説明する。
自社が共同開発したゲームを実際にプレーした荒井社長は「本来は複雑な道路工事の仕組みが、わかりやすく作りこまれていて面白かった。楽しさをベースに、道路工事に興味・関心を持ってもらえたら、業界としてもリクルートにつながります。今回は簡易的なものを作っていただきましたが、今後は、コストの要素も入れるなど専門性を高めた本格的な道路工事ゲームも作れたらいいなと思っています」と感想を話す。
浜田代表は最後のあいさつで、「学生の柔軟な発想とやりぬく力によって、素晴らしいゲームが三つ生まれました。このようなゲームは単なる娯楽ではなく、大真面目に使えるビジネスツールになり得る。今後もゆっくり活動を進めていきたい」と締めくくった。(東寛樹)