宮下通7 駅前ビル地下

TEL:23-8712

 夕方になるとポツリポツリと人の姿が見られるようになる駅前ビル。出張帰りだろうか? 土産物屋の紙袋をぶら下げたサラリーマンが一人、また一人「花の木通り」に入っていく。入口を入ると、すぐにカウンター。六時を過ぎれば、晩酌をしながら女性店主とお喋りをする男性客がいます。

 オーナーの竹内康恵さんの実家は、同ビルの一階で「たけや食堂」を営んでいます。今年で開業して五十七年になるそうです。ですから、竹内さんは生粋の駅前ビルっ子です。「ん~っ歳は六十年代生まれということで――」。おっとり優しい口調で話す竹内さん。男性の常連さんが多いのも納得です。

 「今日はなにを召し上がりますか?」「ビールで、魚はなにがある?」、お客さんとのやり取りはなんだか家の食卓のようです。お通しを突つきながら、ビールを飲みテレビを観る人や、今日あった出来事を竹内さんに報告するお客。この雰囲気に人が集まるんだなぁ――。

 写真の「とりのおろしポン酢」(五百八十円)は、グリルでカリッと香ばしく焼き上げ、さっぱりといただきます。「だし豆腐」(五百円)は、関西風の透明のだしにたっぷり豆腐が入っています。うどんか素麺を替え玉に欲しいぐらい美味しいスープです。ブタバラと卵を焼いて、ソースをかけた「とんペイ焼き」(五百円)、なんとも言えない美味しさ。

 隣をみると、なにやら麺をすする音。あちらからは宗八の匂い。自宅のようでホッとします。

 営業時間は午後五時から十時まで。日曜、祝日定休。只今臨時休業中。十八日から営業します。

(取材・那須日奈子)

 

ケロコからひとこと

 

 駅前ビルの地下には、たくさんのお店がありますが、知らないと通り過ぎてしまうかも。でもここは、一度来たらまた行きたくなるお店です。ママさんの優しい雰囲気が、もう一度行きたいという気にしてしまうのか――。

 一人でやっているので、混んでいる時は少し待つかもしれませんが、料理を作っている姿を見ていると、待つ時間も苦になりません。

 かすべの唐揚げが美味しかった。だし豆腐は塩味のスープ。初めて食べる味で、家でも作ってみようと思いました。

 女性一人でも気軽に行ける店です。

 鳥めんや、日替わりパスタは五百円とリーズナブル。次は晩酌セットを食べにお邪魔しようと思います。

2011年04月12日号掲載