神居2ノ16 ■63-7255

 神居の十字街から美瑛方面へ向かう途中、「あっ」と一瞬通り過ぎそうになる、ラーメン店「鶏麺 光寿」にお邪魔しました。

 店前に立つと、ラーメン店独特の“ケモノ臭”がしません…。それはメニューを見て納得。「当店のスープは、動物系素材は鶏のみを使用しています」と書かれています。どんなスープだろう。期待が膨らみます。

 「あっさり煮干ラーメン」のしょうゆ(六百八十円)を注文してみました。煮干などの魚介と野菜のダシだけ。「山と海のスープです」とある。来ました。澄みきった透明のスープに、白髪葱、メンマ、チャーシュー、カイワレ。シンプルで、見た目も美しい。

 スープを一口。パッと広がる煮干の旨み。煮干から出た塩分が胃袋を刺激して、ズルズルズルズル――。あっという間に完食しそう。

 メニューには「鶏油(チーユ)の量を増やせます」と書いてあるので、食べ終わる直前に混ぜてもらいました。びっくり! 鶏油が入ると煮干のあっさりスープがまろやかな鶏の香りもするスープに変身です。入れる量で少しずつスープの味も変化するので、何度か通って好みの味を見つけてみたいですね。

 麺以外の素材は全て自家製。鶏油はもちろん、メンマの歯ごたえもバッチリです。

 店名に鶏麺と掲げているこちらのメインは、透き通ったスープの「鶏清湯(トリチンタン)」(六百八十円、しお・しょうゆ)と、濃厚クリーミーでコラーゲンたっぷりの白濁したスープの「鶏白湯(トリパイタン)」(六百八十円~、しお・しょうゆ・みそ)があります。さらに二つのスープが合わさったブレンドスープも試してみたい…。

 営業時間は午前十一時から午後二時四十五分。休憩を挟み五時から八時まで(土・日・祝は休憩なし)。火曜定休。

(取材・那須日奈子)

ケロコのひとことメモ

 いくら暑くても、時々無性にラーメンが食べたくなります。先日、私が一番苦手とする煮干ラーメンというのを食べました。新しいお店を開拓しようと入ったのです。

 鶏清湯、鶏白湯と、私の好きそうなメニューがあったのに「あっさり煮干ラーメン」というのに心ひかれて頼んでみました。

 これが大正解。煮干の臭みやえぐみが全くありません。どれだけ丁寧に時間をかけてスープをとっているのだろう。

 これは和のラーメンです。はらわたにしみて、しみじみ美味しい。まさに「煮干万歳」と叫びたくなるラーメンです。

2013年07月16日号掲載