旭川市3ノ6・℡22―6426
サンロク街のど真ん中に並んだ赤ちょうちんに誘われて、今日は「サロマ湖とばろう村」にお邪魔します。
店主は、サロマ湖のほとり湧別町の芭露(ばろう)が出身の木村昭さん(64)。元々このお店は「サロマ湖」という名で、木村さんと妻の幸子さんが出会った店だった。「ばろう村」の名で居酒屋を営んでいた木村さん夫妻が五年前に店を引き継ぎ、現在の店名になったのだそうだ。
カウンターにドーンと置かれたのがこちらの名物「かきのガンガン焼き」(千八百円)。一、二、三…と数えると、お皿に大きなカキが十二、三個は載っています。
殻を外すと何とも美しい大粒の身だ。「いただきまーす」と頬張る…う~ん、言葉が出ずに笑みだけがこぼれます。口いっぱいに広がるうまみ、プリプリとした食感。これはたまりません。
「カキはこれから冬にかけて、もっともっと美味しくなるよー。十月半ばぐらいが一番かな」と幸子さん。名前の「ガンガン」は、かつて漁師たちが一斗缶(ガンガン)にカキを詰めて蒸しガキにして食べたのが由来とのこと。
続いて「生きてるよー」と、幸子さんが運んできたのは「ホタテ刺身」(六五〇円)。これまたプリップリ。甘~い海の味。ヒモもザクザクと心地いーい食感だ。サロマ湖産の活ホタテを一日おきに取り寄せているという。取材でなければ熱燗を注文したいところです…。
今が旬の「サンマ刺」(時価。千円から千二百円)はギラギラと輝くサンマが丸ごと一匹。トロッと脂が乗って、しかもしっかりとした歯ごたえ。これは絶対、お酒が進みます。今度は絶対、夜、お邪魔します。よろしく。
日曜定休。午後五時開店、午後十一時ラストオーダー。
(取材・太野垣陽介記者)
ケロコのひとことメモ
「きのう、サロマ湖でカキ食べてきたさ」「一泊したの? 何時間くらいかかった?」「家から10分もかからないかな」。何度か友人と交わした会話だ。遠いサロマ湖ではなく、3・6の「サロマ湖とばろう村」。
無性にカキが食べたくなると、浮かんで来るのが「ガンガン焼き」。道外から来た人を連れて行くとビックリする。その顔を見るのも楽しみ。
鮮度抜群のホタテの刺身もいいわ。そしてご夫婦のお人柄が、おいしさにホッコリ感を加え、またまた行きたくなってしまうのだ。