中常盤町2・TEL23-7145

 今でこそ、イタリアンだのパスタ屋などという呼び名が普通に飛び交っている。でも、つい三十年ほど前までは甘いケチャップたっぷりのナポリタンやミートソースなどの〈スパゲッティの時代〉だった。ここは一九八六年に駅前ビルに開店して以来、まだ珍しかった本格パスタ一筋。九八年に現在地に移転してからも、老舗イタリアンとして多くの人に愛されてきた。

 現在、メニューに載っているパスタは、何と三十種類もあって選ぶのに困るほど。その中でも、店主の楊為発さん(67)が力を入れているのが十三種ある和風パスタだ。タラコと納豆のお祭り(九百五十円)、タラコとキノコのコロポックル(千百円)など遊び心たっぷりの名前のパスタは、すべて楊さんのオリジナル。「私の好みですが、あっさりして誰にでも好まれる味を目指しています」と楊さん。これらの和風パスタは、客の人気も一番らしい。

 お得なのはランチセット。A(七百五十円)、B(九百八十円)とも、各三種のパスタから一品を選べ、ミニピザ、サラダ、飲み物がついている。僕がいただいたのは、土日限定のパスタランチセット(千三百円)。海の味のトマトソースパスタには、ホタテやエビ、イカ、アサリがごろごろ。あっさりと上品な味つけが、海鮮の旨さを引き立てている。ピザは、外側カリカリ、中はモチモチでチーズの美味しさがたまらない。

 この店のパスタソースは、タマネギやセロリ、バジルなどを使った手作りで、人工添加物は最小限に抑えている。ピザは、生地をたたいてのし、冷蔵庫で寝かせるなど、できるまで半日も手間をかけているそう。だからこそ、納得の味なのだ。

 ピザだけを食べたい人は、ピザセット(十㌢S六百八十円、十五㌢M九百円、二十㌢L千百円)がお勧め。ミックス、タラコ、サラミなど八種類あり、サラダ、ドリンク付き。実は、僕がこの店を訪れるのは二十年ほど前に旭川で勤務していたとき以来。久々だったけれど、美味しさは相変わらずでうれしかった。定休日は毎週火曜日、第三月曜日。営業は午前十一時三十分~午後三時、午後五時三十分~九時。(ラッコよしき)

ケロコメモ
 何年ぶりだろう。家の近くにあるので、いつでも行けると思っていたら、かえって行かなかったりして。美味しいパスタを食べたいと、思い出したのが「麦の粉」。居心地のいい雰囲気も、パスタの美味しさも変わってなかった。
 パスタもピザも食べたい。でも、両方は食べられないと、さんざん迷ってパスタにした。その日のランチのパスタは、食べたかった「タラコのパスタ」だった。これが半端でなく美味しい。小さいピザもついてきた。このピザも絶品だった。

2022年09月27日号掲載